高齢者向けの住まいにはどんなものがあるの?
会社を譲渡して一段落し、今度は自身のネクストステージについてどう過ごそうかと考える方も少なくありません。仕事の責任から解放され、余生を楽しむ余裕もできた方などもいる一方で「もし突然介護が必要になったらどうしようか」、「家族に迷惑をかけないでネクストステージを過ごしたい」と思っている方もいるでしょう。そう思ったとき、まず始めたいことは「終の棲家」探しです。家族に迷惑を掛けないで介護を受けながら生活できる高齢者向け住まいは世の中にたくさんあります。
しかし、そもそも高齢者向けの住まいにはどのような種類があるのかを知らないと終の棲家探しは開始できません。
そこで、本記事では会社を譲渡された元経営者(以下、「譲渡オーナー」)向けの高齢者向けの住まいにはどのようなものがあるのか、表を用いて簡単に解説していきます。
高齢者向け住まいの種類
高齢者向けの住まいは、次の表のとおり、いくつかあります。ここでそれぞれの違いについてきちんと把握しましょう。
①特別養護老人ホーム | ②養護老人ホーム | ③軽費老人ホーム(ケアハウス含む) | ④有料老人ホーム | ⑤サービス付き高齢者向け住宅 | ⑥認知症高齢者グループホーム | |
基本的性格 | 要介護高齢者のための生活施設 | 環境的、経済的に困窮した高齢者の施設 | 低所得高齢者のための住居 | 高齢者のための住居 | 認知症高齢者のための共同生活住居 | |
概要 | 入所者を養護することを目的とする施設 |
入居者を養護し、その者が自立した生活を営み、社会的活動に参加するめに必要な指導及び訓練その他の援助を行うことを目的とする施設 | 無料又は低額な料金で、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与ることを目的とする施設 | ①入浴、排せつ又は食事の介護、②食事の提供、③洗濯、掃除等の家事、④健康管理のいずれかの事業を行う施設 | 状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住居 | 入浴、排せつ、食事等介護その他の日常生活の世話及び機能訓練を行う住居共同生活の住居 |
利用できる介護保険 | ・介護福祉施設サービス |
・特定施設入居者生活介護 ・訪問介護、通所介護等の居宅サービス |
・認知症対応型共同生活介護 | |||
主な設置主体 | ・地方公共団体 ・社会福祉法人 |
・地方公共団体 ・社会福祉法人 ・知事の許可を受けた法人 |
・限定なし (営利法人中心) |
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対象者 | ・65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時介護を必要とし、かつ、自宅においてこれを受けことが困難な者 ・原則要介護3以上が対象 |
65歳以上の者であって、環境上及び経済的理由により居宅において養護を受けることが困難な者 | 身体機能の低下等により自立した生活を営むことについて不安であると認められる者であって、援助を受けることが困難な60歳以上の者 | 老人 ※老人福祉法上、老人に関する定義がないため、解釈においては社会通念による |
次のいずれかに該当する単身・夫婦世帯 ・60歳以上の者 ・要介護/要支援認定を受けている60歳未満の者 |
要介護者/要支援者であって認知症である者(認知症の原因と疾患が急性の状態にある者を除く。) |
契約形態 | 各施設ごと異なる | 利用権契約が中心 | 建物賃貸借契約 生活支援サービス契約 |
各施設ごと異なる | ||
1人当たり面積※参考 |
10.65㎡ | 10.65㎡ | 21.6㎡(単身) 31.9㎡(夫婦)など |
13㎡ | 25㎡ など | 7.43㎡ |
入居一時金 | 不要 |
・一般型は保証金として0~30万程度 ・介護型数十万~数百万円 |
0~1億円を超えるものまで幅広い | 敷金 | ホームごと異なる | |
月額費用※目安 | 5~15万程度 | 0~14万程度 | 6~17万円程度 | 15~300万程度 | 10〜40万円程度 | 15〜20万円程度 |
資産性 | なし | なし |
入居一時金は未償却部分のみ返還 ※ホーム毎異なる |
・利用権の相続・転売は不可 ・入居一時金は未償却部分のみ返還 |
終身借家契約の場合、借家権は相続不可。同居人は希望すれば契約を継続して居住可 | 入居一時金は未償却部分のみ返還 |
入居一時金 | なし | なし | 入居一時金は未償却部分のみ返還 | 入居一時金は未償却部分のみ返還 | 利用状況により敷金が返金 | 入居一時金は未償却部分のみ返還 |
出典:厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」7頁を基に加筆・修正
おわりに
譲渡オーナーが選ばれるのは上記表の④有料老人ホーム又は⑤サービス付き高齢者向け住宅が多いのではないでしょうか。
サービス付き高齢者向け住宅は、近年、介護サービスが充実しているところもあるようですが、一般的に介護の度合いが重くなったり、認知症が進行すると、退去を求められ、住み続けることは難しくなるようで、介護付き有料老人ホームを選ばれる方が多いようです。
本記事が終の棲家を選ぶ際の参考になれば幸いです。
(次回はSOMPOケア株式会社が運営する高級有料老人ホーム「ラヴィーレグラン」について特集します!)
【参考】
厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」
(URL:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf)
【ご案内】
高級有料老人ホームの魅力と実態~SOMPOケア編~【前編】
https://next-navi.aldev.designserver.space/nextclubonline/ones-final-abode/type002
高級有料老人ホームの魅力と実態~SOMPOケア編~【後編】
https://next-navi.aldev.designserver.space/nextclubonline/ones-final-abode/type003