よく耳にする『資産管理会社』設立のメリットとは?

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資産管理会社とは

 資産管理会社とは一般の事業会社とは異なり、資産(土地、建物および有価証券等)を保有、管理することを目的とする会社のことをいいます。

 資産を個人で所有するのと、法人で所有するのでは様々な違いがあり、メリットを享受できる資産家の方が設立されます。
 以下、資産管理会社のメリットをみていきます。

主なメリット

① 家族が1つにまとまる仕組みを作れる

 M&A譲渡オーナーには、もともと家族で会社を経営してきた一族も多く、「家族」が会社を支え、「会社」が家族を支えるという、支え合う関係が成り立っていた家族も多いです。

 会社を譲渡後は家族を支えていた会社がなくなり。その結果、家族の共通の話題がなくなることによって家族の会話が減り、家族がバラバラになってしまう・・・なんてことも。

 そこで、家族が再度一つになって、支えるものとして「資産管理会社」をつくって、経営に関する意見交換、株主総会など意思決定の場に家族を参加させることでコミュニケーションの機会が生まれます。

 また、ファミリーオフィスを活用し「有形資産」だけでなく、目に見えない「無形資産」の承継の仕組みづくりもお勧めです。

② 所得に対する税金の違い

 法人は個人と異なり、所得税ではなく法人税を納めます。法人の利益にかかる各種税金の実効税率は、中小法人では所得400万円以下が22.04%、400万円超~800万円以下が23.91%、800万円超が34.59%、大法人では30.62%です。

 一方、個人では課税所得4,000万円以上で所得税の税率が45%となり、住民税と合わせれば55%にも達します。このように、運用収益を効率よく資産管理会社に留保していくことができます。
※税率は令和4年12月末時点のものです。
※実効税率の計算上、地方税の税率は超過税率(東京都)を前提として計算しています。
※中小法人は資本金が1億円以下の一定の法人、大法人は資本金が1億円超の外形標準課税対象法人として計算しています。
出典:青山財産ネットワークスWebサイト
https://www.azn.co.jp/column/detail.html?itemid=1620&dispmid=904&TabModule905=0

③ 所得の分散

 個人で資産(土地、建物、有価証券等)を所有していると、個人へ家賃収入や配当を得ることになります。

 しかし、法人が所有する場合には法人の売り上げとなり、家族を役員や従業員として雇用していれば、役員報酬や給料として、売り上げから家族に分散することが出来ます。また、家族が他の給与を受けていなければ給与所得控除などの控除を受けることもできます。

 既に個人で所有している資産であっても建物だけ法人へ譲渡し、家賃収入を法人へ移すなど、様々な方法で法人所有にできる可能性があります。

④ その他

 個人と法人では繰越欠損金の期間や、経費の範囲も違ってきます。

会社形態

 資産管理会社の設立には会社形態も注意する必要がございます。

 会社形態には「株式会社、合同会社、合名会社、合資会社」の4種類がございますが、出資者の責任が有限責任となる「株式会社か合同会社」が主流となっております。

 その二社の主な比較を図で説明いたします。

 それぞれに特徴があり、目的にあわせ会社形態を検討する必要がございます。

株式会社合同会社
会社の代表者代表取締役各社員
代表社員を定めることも可能→代表社員
意思決定最高機関株主総会社員総会
出資者の名称株主社員
役員取締役業務執行社員
業務執行社員を選任しない場合は社員全員
出資者と役員の関係株主総会で選任(株主でなくとも可)出資者=業務執行社員
出資者の利益配分株式の割合に応じて配分出資割合に関係なく社員の合意で自由に配分
株式(持分)の譲渡自由(譲渡制限をかけることも可能)社員全員の同意が必要
設立コスト25万円位~(別途司法書士報酬)
(資本金の7/1000(最低15万)+定款認証+官報公告)
10万円位~(別途司法書士報酬)
(資本金の7/1000(最低6万)+官報公告)
増資コスト増加資本金の7/1000(最低3万)
※資本金の払込に係る額の1/2を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
増加資本金の7/1000(最低3万)
※資本金は合弁会社で定めた額
種類株式の発行できる
(会社法に規定した9種類の組み合わせ)
できない
自己株式の取得できる
※相続時の自己株取得(一定の場合)
譲渡所得 税率20%(みなし配当なし)
できない(出資の払い戻し)
※相続時に出資の払い戻しとする場合
総合課税 最高税率55%(みなし配当あり)
役員の変更登記役員の任期2~10年役員変更登記は不要(任期なし)

注意点

 法人設立には設立時のコストがかかります。
 また、設立後なにもしなくても住民税の均等割り、申告のための税理士費用等がかかります。

 「いくら資産があったら資産管理会社を設立したほうがいいのか」「株式会社と合同会社とどちらがいいのか」という質問をよく受けますが、所有の資産、家族構成などによっても変わってくるというのが私たちの考えです。

 上記、メリットに一つでも当てはまりそうな方はお気軽にネクストナビまでご相談ください。

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TEL:03-6439-5817